一本釣り時政

日常のまさにその時を一本釣りでピックアップ

なびく貴方の髪の毛を私のまなこがいつまでも覚えているの

 

 

四つの季節を楽しめる国、日本。

 

しかしここ数年、順序良く季節が来ず、夏が終わると秋を飛ばしていきなり『冬』が到来しているような気がしてならない。(今年はそうでもないけど)

 

今日とかめっちゃ寒い。

 

 

話は変わって、有名な童謡に「夏の想いで」という歌がある。

♪ 夏がくーれば思い出す~ はるかな尾瀬~ とぉい空~ ♪

 

誰しも、この季節が来るとこれを思いだす!というものがあるだろう。

 

私の場合・・・

 

春がくれば、中学校の卒業式に別に好きでもない(しかも話した事がない)男子から第2ボタンを放り投げられ「別にいらねーし」と思った桜の空

 

夏がくれば、水泳の授業で突然足が吊ってプールサイドにあがった時、吊ったふくらはぎが異様にうねうねと脈打っていて自分でどん引きした時のプールのカルキ臭さ

 

秋がくれば、小さい時に近所でたき火をしていて、お芋を一緒に焼いて貰おうとおばさんに渡したとき、一緒に持っていた千円がお芋に張り付いていてあっけなく燃え消え去った夕暮れの切なさ

 

冬がくれば、、、これは切ない物語。

 

20代の頃勤めていた会社の上司が明らかなヅラであった。

ある日彼は一念発起して、アートネイチャーで増毛を画策していた。誰にも内緒でやっていたらしいが、バレバレであった。

誰にも気づかれてはいけないので、全体の“0.数%”の割合で、ちょっとずつ髪を増やしていた。ただただ自然に。。まるで努力で生えてきたかのように・・・

 

順調に若返っていく上司を優しいまなこで見守っていたが、無情にも事件が起こった。

近く、「集合写真を撮る」という彼にとっては一大イベントが開催されるのだ。

 

大分前より増毛していたので、彼のフィニッシュは間近ではあった。

だが、このままのペースだと、集合写真の日には間に合わないであろう。

 

さぁどうする!?

 

私は彼の同行が気になって、夜も寝られなかった。

 

彼には選択肢が2つ。

1)このまま増毛のカウントダウンを続け、写真には一旦薄毛で映るけど「その後生えてきちゃった♡」という設定でいくのか。

2)“写真”という動かぬ薄毛の証拠を阻止すべく、その日に合わせて増毛100%にしちゃうのか。

 

2はリスクが高い。だって内緒で増毛してるのに、急にフサフサしたらバレるから。みんな知ってるけど。

 

さぁどうする!!!

 

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写真には満面の笑みを浮かべた彼、そしてトップには黒々とした毛髪がfly away。


そう。彼は2を選んだ。リスクを取ったのだ。


なんだか切ない気持になった。

冬はコレを思い出す。