昼顔の予感・・・
3日坊主でお馴染みの私が、何だかんだとウォーキングを続けている。
ただそれは「楽しい」からとか「順調に体重が減っている♪」からという喜ばしい事を原動力にしているのではなく、もう意地。『辛くも続けている』という言葉がピッタリの中、必死に頑張っているのだ。
そんな健気な私を数日に1度、嫌、下手すれば1日に数回、ある事がやる気を削いで苛めてくる。
競技場では数十名の市民がいつも汗を流している。
死ぬんじゃないかと思う程ぜぇぜぇ言いながら走っている人や陸上部らしい若者の軽いランニング、そして、私の様に歩いている人だっている。
ただ先程も記述した通り、数日に1度、下手すれば1日に数回『歩いている人が私だけ』という事態に直面するのだ。
ただそれだけ?と思うだろう。
いやいや、いざその場に直面すると何とも『体育時間の落ちこぼれ』のような気分に苛まれてしまう。
精神的につらい。だけど走るのはもっとつらい。だから意地でも歩く。
走っている人の邪魔になると申し訳ないので、フィールドの一番外側を遠慮がちに歩く。(それでも狂ったかのような全速力で歩いているのだが…)
この一番外側を自分だけ歩いているというだけでもホント惨めだ。
もうこればっかりはどうしようもないので、他に走っている人達を眺め、人間観察することで精神を保つことにした。
「あー。あのおっちゃん、走り方が子泣き爺みたいだなぁ」
「あのウエア可愛いなぁ」
「みんな良くそんな長時間走れるなぁ・・」
いかん。だんだんダラけてくる。
ぼーっと歩いている時間も多くなってきた。
あれ?
は~ッ♡ なにあれー♡
めっちゃピッチピチのウエア着てるー!!
上下ともサポート機能付きのウエアで進撃の巨人みたいになってるー!!
そして何よりも…ぷりケツ~っ♡
体はキュッと引き締まっているのに、お尻がぷりんぷりん♡
オヤジが若い女の子のお尻をじーっと見る気持ちが良く分かる。
もう、ムスカの「読めるっ!読めるぞー!!」と同じテンションだ。
「私のプリンス、みっけ♡」
淡い恋心が生まれた瞬間である。
それからは、彼がいないときと通った時のテンションの高低差がハンパなかった。
ちょっと冷静になって、
「ん?そういえばあんなにピッチピチで、あれってホントはアンダーウエアじゃないのか?じゃぁ前は・・・/////// !!!」
前を見る勇気はなかった。
彼を見かけたのは1度きり。
その後、彼を競技場で見かける事はなかった。
(競技場に私が行ってないから)