確かに一度、死んでいた。
私は雨が降る前になると、ほとんどの確率で頭痛がするタイプの人間だ。
今回も大型台風19号のせいで、いつも以上の頭痛に自暴自棄になっている。
「あー。今日雨降るよねー。頭痛がするもん。。」というと決まって
「昔、事故にあったりしたの??」と聞かれる。
そう。あれは事故だった。。
小学生だった私は、バットを振ればホームラン・走ればまるでオートバイ・泳げば人魚の、漫画さながらの運動神経の持ち主だった。
その日の体育の授業も、順調に飛ばしていた。跳び箱の授業だ。
うちのクラスはレベル毎にグループ分けされ、もちろん私は3人形成のトップクラス。
男の子2人に混じってぴょんぴょん飛びまくっていた。
先生 「おーい、そこの3人。ただ飛ぶだけじゃなくてちょっとアレンジしてみろ」
3人 「えー?じゃぁ、ちょっと宙返りとか挑戦しちゃう??(←生意気なガキである)」
しょっぱなから飛ぶのはやっぱり怖いので、徐々にランクを上げていった。
まずは、思いきり飛んで、跳び箱の上で逆立ちになるように飛んだ。
うむ。異常なし。
残り2人も軽々飛んでいた。
次は、跳び箱に手をついてからの一回転。
うむうむ。楽勝だな!!
残り2人も何とか飛んでいた。
最後に手を付かずの一回転に挑戦。。。男どもは怖気づいている。
「もう腰ぬけだなぁー。じゃぁ私飛ぶね!!」
私は鼻から息を吸い、口からゆっくりとはきながら精神を統一させる。
それから目をカッを見開き、バキのように全身の筋肉をパンプアップさせ、一気に行った。
「たぁーりゃぁーーーーーっ!!」
思いきり踏み込む。
ビヨーーーーーン!!!
周りから「おーーーっ!」っと歓声が沸き起こる。
「やった!決まった!!!!」
勢い余ってマットを飛び越え、顔面から不時着したのである。。。
「 ・ ・ ・ ・ ・ 」
その時、確実に一度、死んだ。
生まれて初めて気を失った。
目を覚ますと、先生やら友達やらが周りを取り囲み、私に声をかけていた。
「・・・っ・・・っ・・・うわぁ~~~~ん!!」
そりゃ痛くて泣くだろう。
このまま病院まで連行されていった。
(歩いて…)
きっとこれが頭痛の原因だと思っている。